Unlock the power of structural biology

多くの生命現象はタンパク質や核酸といった生体高分子が特定の分子と特異的に相互作用することにより引き起こされています。構造生物学は、生体高分子の立体構造を解明することにより、様々な生命現象を原子レベルで理解することを目指す学問分野です。さらに、立体構造が明らかになると、新しい機能をもつタンパク質や核酸を立体構造に基づいて設計することも可能になります。我々はRNA依存性DNA切断酵素であるCRISPR-Cas9や光駆動型イオンチャネルであるチャネルロドプシンといった基礎・応用の両面で重要なタンパク質の立体構造を解明し、それらのユニークな分子機構を解明してきました。さらに、これらの構造情報は新たなゲノム編集ツールや光遺伝学ツールの開発基盤としても広く利用されています。生体高分子の構造決定にはX線結晶解析が広く用いられてきましたが、最近のクライオ電子顕微鏡解析の技術革新により、これまでは解析が困難であった柔軟で巨大な複合体分子などの構造解析も可能となってきました。以上のように、構造生物学は生命現象の真の理解のために必要不可欠な学問分野です。

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