
TLR4(Toll-like receptor 4)はグラム陰性菌の構成物質であるLPS(リポポリサッカライド,エンドトキシン)を認識する受容体である.TLR4の発見はLPS低感受性マウスの解析がきっかけになったが,このマウスのTLR4は712番目のプロリンのアミノ酸置換が生じており,このことがLPSへの反応の低下の原因となっていた.
われわれはTLR4の細胞内ドメインを解析することで,新たに,815番目のロイシンがLPS刺激によるシグナル伝達や,TLR4の細胞内分布において重要であることを見いだした. このロイシンをアラニンに置換することでTLR4のアクセサリータンパクの一つであるMD-2との相互作用にも障害が生じることが示された.
TLRは自然免疫の重要な受容体として発見され,この10年たらずの間に自然免疫のみならず獲得免疫など領域の研究が急速に進展した. TLR4の遺伝子多型は疾患感受性や治療への反応性などに影響を与えるとするデータも報告されている.
TLRは感染症や自己免疫疾患,癌,さらには代謝性疾患などさまざまな疾病の発症メカニズムの解明や新たな治療方法の開発のターゲットとしても注目されている.
Yanagimoto S, Tatsuno K, Okugawa S, Kitazawa T, Tsukada K, Koike K, Kodama T, Kimura S, Shibasaki Y, Ota Y.
A single amino acid of toll-like receptor 4 that is pivotal for its signaltransduction and subcellular localization.
J Biol Chem. 2008 Dec 8. [Epub ahead of print]
CSLS Search
CSLS: Center for Structuring Life Sciences, 東京大学生命科学構造化センター