次世代高密度オリゴヌクレオチドアレイによる染色体欠失のBreak Pointの同定
ゲノムサイエンスの油谷浩幸教授、石川俊平助教(現在学内共同研究員)、河村大輔研究員(現在NEC)らは、国立成育医療センター成育遺伝研究部(宮下俊之教授)、Affymetrix社との共同研究により次世代型高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて先天性腫瘍性疾患Gorlin症候群の欠失の領域をbreak point(切断点)のレベルで同定しました。
現在世界でコピー数解析に広く使われている500K arrayではゲノムの領域によりプローブの密度にばらつきがあり、特にCNV(コピー数多型)の領域では低いことがわかってきました。今回用いた高密度オリゴヌクレオチドアレイは全ゲノムで130万(1.3M)のデータポイントと従来の500K arrayの倍以上の情報が取得可能であり、ゲノムサイエンス部門が参画した第一世代ヒトゲノムCNV地図作成プロジェクトの過程で明らかになった500K arrayの問題点を踏まえ、CNV領域を含めた情報が取得可能なAffymetrixの次世代ゲノムアレイ(現行のSNP6.0 arrayに相当する)のプロトタイプとして開発したものです。
従来の500Kのプロトコールをそのまま応用可能であり、プローブ間の中央値は776bpと1Kb以下の変化を検出することが可能です。
このアレイのシグナルデータに対してヒトゲノムCNV地図作成プロジェクトでも用いられたGIM/GEMCAアルゴリズムを実装し、先天性腫瘍性疾患Gorlin症候群(nevoid basal cell carcinoma syndrome: 皮膚基底細胞癌の多発する先天疾患)患者のゲノムDNAの解析を行いました。
その結果症例によって数Mbpに及ぶものから最少165Kbpの欠失が見つかりいずれの症例にもPathced-1遺伝子(PTCH)が含まれていました。隣接するプローブとの間隔が短いためいずれの症例もアレイのシグナル情報とPCRを組み合わせることによりbreak point(切断点)が同定可能で、Alu-mediated recombinationなどの機構が推察されました。
Katsunori Fujii, Shumpei Ishikawa, Hideki Uchikawa, Daisuke Komura, Michael H. Shapero, Fan Shen, Jing Hung, Hiroshi Arai, Yoko Tanaka, Kimio Sasaki, Yoichi Kohno, Masao Yamada, Keith W. Jones, Hiroyuki Aburatani, Toshiyuki Miyashita
High-density oligonucleotide array with sub-kilobase resolution reveals breakpoint information of submicroscopic deletions in nevoid basal cell carcinoma syndrome
Hum Genet. 2007 Aug 17;
PubMed
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