ヒトγδ型T細胞の非ペプチド抗原認識の時系列マイクロアレイ解析
先端研に客員研究員として所属していた山下誠二さん(現在、理研)のヒトγδ型T細胞のマイクロアレイの解析結果を主に時系列のクラスタリングによって解析した論文がBiochemical
and Biophysical Research Communications(BBRC)誌にアクセプトされました。
がん特定領域研究の若手研究者として山下さんと堤先生の間の共同研究から生まれた研究成果です。
要約:
ヒトγδ型T細胞は、一次反応において、ピロリン酸モノエステル系抗原、アルキルアミン系抗原のいずれの非ペプチド性抗原に対しても反応性を示すが、
二次反応においては、ピロリン酸モノエステル系抗原にのみ増殖反応を示す。
この2つのグループの非ペプチド性抗原における生理活性の違いを明らかにするために、マイクロアレイにより遺伝子発現の時間経過を系統的に解析を行った。
ピロリン酸モノエステル系抗原の一種である、2-メチル-3-ブテニル--ピロリン酸(2M3B1PP)による刺激においては253個の遺伝子が誘導され、アルキルアミン系抗原の一種である、イソブチルアミン(IBA)による刺激後は、35の遺伝子のみが検出された。
また、γδ型T細胞は、2M3B1PP刺激により時間依存的にXCL1-2、CCL3、TNF-α、IFN-γなどのサイトカイン産生応答を示したが、IBAによる刺激の際には、これらの遺伝子の発現は一過的に観察されたにすぎなかった。
ピロリン酸モノエステル系抗原とアルキルアミン系抗原のこのような抗原性の違いは、NFATの活性化状態の違いに起因するらしいことが明らかになった。
NFATはEGR-1やNR4A1-2といった転写因子の発現に関与しており、γδ型T細胞のエフェクター機能発現に重要な役割を担っているということが示唆された。
Analysis of mechanism for human γδ T cell
recognition of nonpeptide antigens [ARTICLE]
Seiji Yamashita, Yoshimasa Tanaka, Shuichi
Tsutsumi, Hiroyuki Aburatani, Nagahiro Minato
and Sigeo Ihara
in press, Uncorrected Proof, Available online
28 June 2005
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