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2005.03.08
胃癌の診断・治療標的候補としての1回膜貫通ムチン蛋白MUC13

ゲノムサイエンス部門ではマイクロアレイ解析による新規の癌特異的遺伝子の同定を進めてきましたが、今回新たに胃癌においてMUC13遺伝子が高発現であり、新規の有望な分子標的候補であることを報告しました。
ムチンは気管や消化管粘膜に豊富に存在する糖蛋白で、特に膜型ムチンには抗体治療の標的として臨床試験中のMUC1や、婦人科腫瘍血清マーカーCA125の抗原であるMUC16が含まれるなど、癌研究において現在注目を集めています。今回島村らは胃癌のマイクロアレイ解析の結果、1回膜貫通型ムチンのMUC13が高発現であることを見出し、多数のモノクローナル抗体を作成し、蛋白レベルでの詳細な解析を行いました。
東大病理学教室と共同で行ったtissue array解析では、正常胃粘膜ではすべて陰性なのに対し、胃癌では114例中74例(65%)で陽性であることを明らかにしました。また、前癌状態である腸上皮化生では10例中9例で陽性であること、腸型胃癌で有意に発現が高い(p<0.0001)こと、既存の腸型マーカームチンと相関を認めず、陽性率も高いことなどから腸型胃癌の発癌への関与していることが示唆されました。さらに、細胞内では管腔側膜に局在し、一部の分子は細胞外領域で切断を受けることを明らかにし、膜表面及び切断されたMUC13はそれぞれ胃癌の治療と診断の標的として有望であると考えられました。
現在血清診断の系を開発すべく、細胞外領域切断断片を直接認識する抗体の作成に鋭意取り組んでおります。

Takahiro Shimamura, Hirotaka Ito, Junji Shibahara, Akira Watanabe, Yoshitaka Hippo, Hirokazu Taniguchi, Yongxin Chen, Takeshi Kashima, Toshihiko Ohtomo, Fumihiko Tanioka, Hiroko Iwanari, Tatsuhiko Kodama, Teruhisa Kazui,Haruhiko Sugimura, Masashi Fukayama and Hiroyuki Aburatani
Over-expression of MUC13 is Associated with Intestinal Type Gastric Cancer

Cancer Science: Vol. 96, No. 5 (2005) in press.