
LSBMでは血管の微小環境を反映するモデル培養系の構築を目指し、細胞に流れ負荷(shear stress)、酸素濃度勾配、低密度リポタンパク質(LDL)等の複合刺激を与える培養システムを開発している。本研究ではこの培養装置を用いてヒト血管内皮細胞における遺伝子発現をGeneChipにより網羅的に解析した。
その結果、誘導が見られた遺伝子の大部分はshear stress単独で引き起こされ、酸素濃度、LDLの影響は比較的小さく、shear stressの重要性が示された。 また、転写因子Nrf2の制御を受けることが知られている遺伝子群がshear stressによって顕著に発現亢進していることが明らかとなり、shear stressが起こす防御的反応にNrf2が関与していることが示唆された。
この研究で用いた培養システムは、より生理的な環境で細胞に様々な刺激を与えられ、細胞のストレス防御機構と疾病の解析に非常に有用である。
Endothelial cell gene expression by shear stress, oxygen concentration, low-density lipoprotein as studied by a novel flow cell culture system Warabi, E. et al. Free Radic. Biol. Med. 2004, in press