PROFILE

2001年8月 ロンドン大学キングスカレッジ生化学部 卒業
2010年1月 ロンドン大学癌研究所博士課程腫瘍学専攻腫瘍学 博士取得
2006年1月 東京大学医科学研究所 学術研究支援員(研究員)
2007年4月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 特任助教
2011年4月 東京大学先端科学技術研究センター 特任助教
2018年3月 東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授

FIELD OF INTEREST

がん研究は新たな時代を迎えています。私たちは栄養とオミクスデータを統合した「ニュートリオミクス」の視点からがん治療の未来を創造します。がんでは、糖質、タンパク質、脂質はこれまで独立したパラダイムで研究されてきました。しかし、最近のがん代謝の研究から疾患代謝の概念は大きく変わろうとしています。これまで別々に扱われてきた糖質、タンパク質、脂質は、アセチルCoAやケトン体などの中間代謝物を介して相互補填し代謝に影響を及ぼすことがわかってきました。私たちの研究室では、がん細胞が低酸素・低栄養・低pHの過酷ながん微小環境で悪性化を獲得することを明らかにしてきました。ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームの統合解析によるニュートリオミクスの視点から、がん微小環境の変化に伴うエピゲノムや代謝の変動が、がんの進展に寄与していることを明らかにしており、これらの研究から新たな治療法の確立を目指しています。具体的には次の3項目について研究を行っています。

 

(1)新しいオンコメタボライト(がん代謝産物)を同定する。
(2)糖質・脂質・アミノ酸欠乏におけるがん適応機構を明らかにする。
(3)新しい栄養学「ニュートリオミクス」の視点からがんの治療法を開発する。

 

このように、多階層オミクス解析の視点から、転移や再発した進行がんに対する新たな治療法を見出すことを目指しています。

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